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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第14章 確かな愛
「ハンソンーっ・・!」
思わず抱きつく私。
彼の腕は何時もの様に優しくて、暖かかった。
「ありがとうー・・。私があなたを愛していたのは本当に真実よ。確かにあなたがした事は、許せなかった。出来る事ならば顔も見たくないと思ってた。」
「でも、今の言葉を聞いて偏った偏見や気持ちはなくなったわ。あなたは最後までー・・私の意見を尊重してくれる優しいジェントルマンと確信することができた。」
「あなたは素敵な男性よ。今回は縁が無かったけどー・・。あなたは、友達や友人としての私を失ってはいない。女性としての私を失っただけなの。」
「小百合ーー・・、」
「お腹の子の育ての親は光になるわ。でも、あなたも父親よ。会えない、とか会う権利が無いなんて事は思わないで。貴方はいつでも、この子に会える。この子の母親として私に会える。ー・・妻や彼女としての顔をした私には会えないけれど、愛しあった仲だと証明する顔をした私には会えるー・・!!」
「光・・。」
「ーー・・はぁ。こいつがそう言ってるんだ。俺がとやかく言う問題じゃねぇよ。血の繋がりはハンソンにあるわけだしな。」
「良いんじゃねぇの?会いたい時に会えば。」
「君たち二人はー・・最高の夫婦だね。」
何とも言えない空気が漂う。
だけど居心地の悪いものではない。
穏やかで、本当にすごしやすいこの空気感。
「ただ、こいつは俺の嫁だ。もし泣かす様な事があれば、俺が許さない。あと、腹の子を抜きにして、こいつを女として見る・手を出すのもやめてくれ。」
「わかってるさ。だけど、そこはお互い様だ。
小百合を泣かせたら、遠慮なく取りにこさせてもらうよ。」
「はは。ーー・・望むところだな。」
「・・さぁ、小百合!ケーキを買ってきたんだ!みんなで食べよう!」
「ーー・・うんっ。」