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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第14章 確かな愛
「おい!!!小百合!!!」
大きな大きな声が家中に鳴り響く。
「待って~、今無理。」
「小百合!!早く来い!!やべぇよ!」
叫ぶなんて滅多にしない彼なのにー・・。何かあったのかしら?そう思って、重い腰をあげ、事務所からリビングに戻った。
そんな私の目に写ったのはーー・・、机につかまって、立っている紫音。
所謂"つかまり立ち"ってやつ。
「立ってるよ!紫音が!!」
スマートフォンでムービーをとる彼ー・・。ハイハイした時もすごかったもんね。私の喜びを遥かに越えてた。
「すごいやん~。ちゃんと見たらな。」
「あぁ?お前それだけかよ?」
「え?」
「もっと褒めてやれよ!褒めて育てるって決めたんだよ!ったくあんたは変なタイミングで冷たくなるんだよな、冷静っつーか何つーか。はぁ。」
愚痴愚痴と、小言を言う柳沢は、小姑みたい。
「もぉ、言葉遣い汚い。興奮してるのは分かるけど英語で喋って。」
「Fuck」
「ぷはっ!その流れは、もう良いよ!はは!」
「あー!まんまー!」
「ん~?」
「いや、飯だろ。絶対あんたの事じゃない。」
「いちいち煩いわね。」
「ぱぁぱぁ~!」
「なんだ~?」
まるで百面相だー・・。
冷静になったかと思えば、嫉妬して、
嫉妬したかと思えば、興奮して、
冷静になったかと思えば、甘い顔をする。
そしてー・・私しか知らない顔。
"愛した女を抱く時"の表情。
しばらくは見れていない。
正直ね、欲求不満な部分はあるわよ?
でもー・・彼のからだを第一に考えて
自分から求める様な真似はしなかった。