この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第14章 確かな愛

「はじめまして!ニュースサタデーの記者です。プレミアムリーグ優勝おめでとうございます。その時期と、結婚の時期が被っているのですがー・・やはり、心身的なサポートのお陰だったのでしょうか?優勝カップを手にいれる事ができたのは。」
「心身的なサポート・・。んーまぁ付き合ってないですからね。」
「へ?!」
一斉に、みんなの手が再び動き出した。メモをしてるんだろうー・・。本当に、この子はハッキリとした性格なんだから。少しは嘘をついてほしいくらいよ!
「え?いや、だから。交際期間無しで、そのまま籍をいれました。優勝できたのはー・・まぁ、チームメイトの協力とハンソンの存在があったからですかね。」
「えー・・でも「お一人様、お一つの質問でお願いします。」
ナイス司会者!と思った私は甘い。
こういう時の、レポーター達の一致団結する力は素晴らしいものだ。常日頃なら、誰が一番先に情報を公にだすか!とかで競い合ってる中なのにー・・。戦友ってやつだろうか?
「夕方コールのアナウンサーの岸川と申します。お付き合いの期間がない・・とのことですが、では、なぜ、ゴールインに至ったのでしょうか?元々、恋愛対象ではあったのですか?」
ほらね、夕方コールとニュースサタデーなんて、同じ時間帯に他局でやってる情報番組だよ?それなのに、手を組み合ってるかの様に、上手に質問を繋げているー・・。ひゃあ、やっぱり怖いよ。この世界は。
「恋愛対象では全く無かったです。正直、俺や蓮、響や遥、誰一人にも靡かなかったので、そういう所に興味を持ってた部分はありますけど・・。でも、付き合いたいとかは全く。彼女にはしたくないタイプでした。」
「結婚を決めたのはー・・息子の事があったからですかね。養子を引き取るのってすごく難しいんで。独身でいろんな国転々としてる僕一人だけの力じゃ、手にいれる事が出来なかったんですよ。それでー・・彼女に頼んで、籍をいれてもらった感じです」
「凄いー・・。」
先ほどのアナウンサーが、思わずそう呟いたのがマイクに拾われて、私たちにも聞こえる。
凄いと思うわ。私も。
彼の行動力とー・・紫音への計り知れない愛情はー・・。

