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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第14章 確かな愛

"はいカットー!!"
"もう終了です!
これ以上の質問はお控えお願いします!!"
ガードマン達に連れられながら、裏方へ帰ってきた光。こちらのスタッフの方達が気を利かせた事もあり、ハンソンも、裏方へ誘導されていた。
「あー疲れた。」
「お疲れ。」
「まさか、ハンソン、お前が来るとは思ってなかったよ。」
「度肝を抜かれるとは、このことだろう?」
「だな。ー・・もう帰国するのか?」
「あぁ。飛行機の都合が素晴らしいほどに急ぎだからな。」
「試合は?」
「ないよー・・光、ここに座りな。腰痛いだろう。」
「ありがとう。ー・・はぁ。腰で思い出したけど、怪我を黙ってた事、絶対突っ込まれると思ったのに、皆小百合の事しか聞いてこなかったな。」
「そうだね~。まぁ、怪我の詳細とかは協会から知らされてるんじゃない?それより、彼女についてを知りたいだろう~!熱愛報道もそんなに出てなくて、女風がなびいてなかった男がいきなり結婚するんだからね。」
「そうなんかねぇ・・。おい、小百合。紫音」
「はは、どうして小百合が泣いているんだ?!」
「どうしてってー・・・・あそこまで公共の電波を使って愛されてる事を自覚できるなんて、思ってもなかったからー・・。恥ずかしい気持ちと嬉しい気持ちが混ざってる」
「恥ずかしいのか?ごめんごめん。」
「ううん。謝らないで、ハンソン。
私は女の子なら誰もが羨む道を歩んでいるの。
ーー・・最高に素晴らしい人生だわ・・」
「素晴らしい人生か・・。僕がおかした過ちをここまで、許してくれるとはね。本当に心が広い女性だ。
僕もありがとう、小百合
君に出会えて、僕は本当に変わったよ。」
「おい、おめぇら、俺が居る側からイチャイチャすんじゃなねぇよ。」
「お怒りだわ、私の自慢の旦那様が。」
「うるせぇ。・・三人で飯でも食いに行くか?」
「光。君は本当に心が広いんだね。以前の君なら考えられないよ・・。やっぱり小百合のお陰だ。」
「でもー・・僕は行けないよ。
まだそこまでの域に達していないかもしれない。
やっぱり彼女の横に居たら女を感じてしまうよ。」
「イギリスに帰って、心身ともに落ち着かなきゃね。」
と笑ったハンソンの笑顔は、少しだけ悲しそうだったけど、以前の数倍も優しそうで強そうだった。

