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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第15章 命の重み


柳沢と出会ったころを思い出した。

九月九日。この子が生まれた日。そしてー・・私が彼と出会って、人生を大きく変えてもらった月だ。

大昔、江戸時代に重陽の節句に雛人形を再び飾るという風習があった。旧暦では、菊の花が咲く季節であることをふまえ、“菊の節句”とも言われている。


つい先日、大きなお腹を抱えながら立ち寄ったコンビニでは、もう店員さんが日本代表のユニフォームを着ていた。来年の6月に開催されるらしい。選手達からしてみれば、半年と少ししかないので、もう言ってる間かもしれないが私からしてみれば、まだまだある。

それなのにユニフォームとは・・・どれだけサッカー協会が、今回のワールドカップに思い入れをしてるのか、ハッキリと分かった。

4月に、正式に前会長が辞任し、新しい人が会長の座についた日本サッカー協会。
浜田学さんというおじいさんだ。光いわく、頭がキレて、あまり怒らない人。

遥くんに似ているらしい。性格が。



そして・・・彼自身も、プレミアムリーグが待っている。

9月の1日に、初戦が行われた。


ブエノス対、ウルアイホンドウ。

あまり有名なチームじゃなかったらしく、6-0の快勝を飾ったとニュースで見た。


ワールドカップに、リーグ。
そしてーー・・彼に限っては“私の出産”


紫音は、1歳5ヶ月なのに、日本からイギリスまでの長い飛行を体験した。親馬鹿な光はわざわざプライベートジェットを手配して、あちらに向かい、そして、今日、日本に帰ってくる。

2戦目でも、がんばった末に勝利を収めたブエノス。
やっぱり紫音が、間近で見ているという点が彼にとっては最大の原動力になるのか・・。



だけど、ハンソンのアーセも調子はすこぶる良い。

2戦とも、延長には持ち込まず、2点差をつけて勝利していた。


ブリトニーから勝利の報告を書いたお手紙と、出産祝いのベビー服を沢山もらった記憶がまだ新しい。

一人でのはじめての出産は凄く怖かった。
というかー・・痛みで気を失いそうになった。


だけど、心の中には、支えてくれる人が沢山いる真実。

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