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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第15章 命の重み
「わ~美味しい!」
モンブランのケーキを一口、食べてみた。そこまで甘くない秋の味がして季節を感じる。
「でしょう?私のセンスは素晴らしいわ」
「はは。それにしても、よく買えたわね。
日本語喋れないでしょう?」
「ええ。とりあえず指さして、
お札をいくつか出したの。ここは、タイやフィリピン、アメリカでもあるまいし、そのままの金額を取ってくれるからね。チップも無ければ、いかさまもない素晴らしい制度の日本だもの。信頼しきってたわ」
「本当、シャキーラらしいわね」
「はは。適応能力があるのは仕事のおかげよ。・・・それより、名前決めたの?男の子だったら、候補はあっただろうけど、女の子だもんね~」
「そうなの。もともと考えてたのがダメになっちゃったから、また振り出しよ」
「もともと考えてたのは?」
「え~っと、これ。
光に青と書いて、こうせいって読むの」
「こうせい?どういう意味?」
「光の“光”と、
ハンソンの青い目の“青”から取ったのよ。
勿論、うれしがる人と怒る人が1人づつ居たのは予想できるでしょうけど」
「ははは!分かったわ!そりゃそうよ~ふふっ!」
光青ー・・あんまり見ない使い方だ。
でも、結構力作だと思った。2人の愛情が注がれるわけだしね。
「女の子って悩むよね~私は日本っぽい名前がいいと思うわ」
「うん。私の母は、海外で通用することを考えて
ベリーとかどう?って言ってたけど、即却下ね。」
「何もないの?候補」
「お花からとるのがいいと思ってる。
小百合も、お花からとったし。
だけど一応、光の意見も聞かないと・・・」
「あの子、凄い父親になると思うわよ。
男の子の紫音でも、アレなんだもの。女の子なんて・・ねぇ?」
「想像できるわ。
彼氏なんて出来た日には、落ち込んでしょうがないと思う」
「絶対そうよ!でもまぁー・・色々なことがあったわ、本当」
「そうよね、あれから、もう1年だもんー・・っ」