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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第15章 命の重み
最初は、蓮に振り回されていた私。だけど、何故か知らないが、蓮じゃなく光と引っ付く事になったのだ。
「私と貴方があのラウンジで飲んでなかったら、貴方はハンソンと出会う事なんて無かったものね。もしかしたら、光と夫婦にもなってなかったかもしれない。」
「そうよね。縁って不思議なものよ。」
あのラウンジで声を掛けられ、パーティーに出席したから、初戦を見に行くことができて、蓮が私を愛している真実を知れて、そして、ハンソンへの愛を確かめる事が出来た。
「決勝戦の時は、本当に吃驚したけど。まさか、付き合ってもいないのにイキナリ結婚を、光に申し込まれるなんてー・・勝つか負けるか、こんなちっぽけな事に貴方の大きな人生がかかってたんだもんね。」
「そうよ。もし、彼が負けてたら、私は紫音とも出会えていないし、もしかしたらハンソンと引っ付いてたかも。」
「だけど、ハンソンからの愛をちゃんと受け止める事が出来てなかったりして~。重いと感じてしまったかもしれないわよ?いつもみたいに貴方が愛というなの包み紙の窮屈さに耐えられなくなり別れてた可能性もあるわ。」
「そうー・・ね。」
光との共同生活一日目にして、私ははじめて彼にキレた。紫音を何も言わず連れてきた事が理由だったよね。
だけどー・・宮間さん夫婦への愛や想いを知る内にそこまで悪い人じゃないかもって、思っていってた。柳沢光という人物にたいしてー・・。
「だけど、貴方の突っ張りが抜けたのは本当だったわ。紫音とは確かに血はつながっていない。でも、彼の母として強く生きていこうとする貴方は恋に迷う淫らな女ではなく、しなやかで、素直に良い女だった。
貴方に人間らしい笑顔と、弱さ、そして"弱さを見せるという強さ"を教えてくれたのは子育てね。」
「その通りだわ。子育ての大変さ、窮屈さ、正直予想以上だった。何度壁にぶちあたって、辛い想いをしたかなんて覚えてないもの。ー・・だけど、それ以上に嬉しい事が多いのよね。協力してくれてた、光にも今は感謝の気持ちで一杯だわ。」