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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第15章 命の重み

「で~貴方が自分の気持ちに気付いたと?」

「うん。この子が出来た原因を作ったハンソンにたいして嫌気がさした瞬間にね。ぶっきらぼうで、我が儘な光の中に優しさと愛を感じて、心が動いちゃった。いま思うと、本当都合の良い女だったよ。自分の嫌いな事をされたから、違う男に走ったって訳だもん。」


「都合の良い女ー・・ね。良い意味で言うと頭の良い女よ。そこは気にしなくていい様に思うわ。だからこそ、貴方の今があるんだし。」


「うんー・・。」

三人ではじめての旅行に行った。クリスマスだったかな?試合前なのに、予定をあけてくれていた彼への気持ち・・薄々と気がついていたのかも。認める事は出来なかったけど。だってそうでしょ?単純に、認めてしまったら、それこそ淫らな女になってしまう。

本気で愛してくれる人にたいして、こちらは遊び心で返すなんて申し訳ないもの。本気には、本気でかえさなきゃ。

「そこで、親善試合か~。貴方から詳細は聞いてたから負けた時はどうなる事かと、手に汗にぎったわ。」

「私もよ!彼の怪我の事を知ってたからこそ、タックルされた時に、正直、気が動転しちゃったし。」

あの時、助けてくれたのは遥くんと響だったよね。響は途中警備員さんに怒ったりして、短気な部分があったけど、それでも基本は遥くん同様、冷静に私と光が会える様、手をひいてくれていた。

あの二人はー・・彼がイギリスに行ってから、私の体調を気にしてか仕事の合間によく来てくれる。この病院の立地が最高なのもあるんだろうけど。

AXの局から車で10分くらいだしね。駐車場も大きいし、プライバシーも守られているし、芸能人がよく使う病院ということにも納得がいく。

甘い物食べたいでしょ?とケーキを持ってきてくれたり、退屈そうにしてるのを見かねて、ビジネス本やサスペンスの小説を持ってきてくれたり。

響が、ドラマの合間休憩の時に美味しいロールケーキを持って一人で来てくれたのには、さすがに心底驚いて、ちょっと気まずかったけど。何だかんだで、楽しい時間を過ごさせてもらってた。

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