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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第15章 命の重み
「本当にーー・・今は最高に幸せ。」
「なら、よかった。私も幸せよ。」
あ、そうそう。シャキーラは、光の親善試合が終わってから少ししてマセラと付き合った。普段はクール・ガイを気取っている彼が、自分が嘔吐する姿を見て引くどころか、喉に手をいれ、余計な物を出させる様にしてくれたシャキーラに惚れ込んだらしい。
ラウンジで出会ったあの日の夜からはじまった恋物語。唐突に結婚して、唐突に本当の愛を知った私とは対照的に、交際期間まで凄く長い間あったシャキーラ達の慎重な恋ー・・。純粋に応援したい、そう思った。
皮肉だよ。あの日に三つの恋がはじまり、
叶ったのは二つの恋だけだもん。残り一つはー・・惜しい所で、夏の花火の様に最高の花を飾ってから、消えていった。
「彼の結婚会見から、半年近く経つのね。」
「最高の一年だったでしょ?あなた。」
「えぇ。
ーー・・たくさんの事を学ばさせていただいて、
たくさんの事に対して悔しいと思う心をもった。
本当に最高の一年だったわ。
だけど、今日からの一年、これ以上に最高のものにしてみせる。それが、元気に産まれてくれた子への感謝の気持ち、なのかも。」