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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第15章 命の重み
菊の花は、お供えなどに使われる場面が多いから一見縁起の悪いお花に思われる事が多々ある。
でも、忘れないでほしいのは、花言葉と、
実際に縁起の良い場面でも使われている花ということだ。
花言葉は
"高貴な愛"
"高潔"
つまり、優雅といった言葉と紙一重。
菊が描かれてある、お着物は縁起が悪いか?
ピンクや赤、オレンジといったカラフルな菊の花でも縁起が悪いか?
ーー・・違うよね。
私が、この子に生きてほしい
"高貴な人生"を表してくれている"菊のお花"
「千代菊ー・・。」
「え?」
「千に代わる菊とかいて、
"千代菊ーちよぎくー"は?」
光の放った言葉に一瞬だけ静かになった私達。日本らしい、古風なお名前だ。とても優雅で上品そうなイメージを与えてくれる。
「いいんじゃないか。小百合ちゃんは?」
「千代菊・・。素晴らしいと思う。」
「お姉ちゃんも、そう言うてるし
千代菊ちゃんに決定やね~!」
妹の無邪気な声が響いた。
一回り離れているから、この子は今10歳。
小学五年生だ。
良い見本になる従兄弟になってくれたらいいな。
「千代菊~。千代~。」
「あは、笑ってるねぇ。」
お義父さんが名前を呼ぶと、心なしか笑った様に思える。ー・・私達にも笑顔が溢れた。
「結構、センスいいやん。光。」
「うるせぇ、なんで上からなんだ。」
「ふふっー・・。」