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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第16章 決戦の舞台


「あら、部屋を手配したのは誰?」
「光よ。ーー・・別々なのね。シャキーラに気を使ったのかしら?」

「マセラの事ね。はは。
用意したら、そっちに行くわ。」

「は~い!」

結構長い飛行時間だったけど、プライベートだった事もありのんびり、快適な旅を過ごす事ができた。

上質な部屋に吃驚しながら、窓からモスクワの景色を紫音と一緒に眺める。



「はぁ。きれいだね。」

「綺麗だね!」


「疲れたね。」

「疲れたね!」


日本語も英語も完璧。さすが私の子!


「今日はパパ見れるよ~久々やねぇ。」

「うん!千代たんも、パパみたらきっと喜ぶんだろうね!」


「ははは!そうやね。喜ぶわ。」


大きなスーツケースをささっと片付けて、千代菊をベッドの上に寝かしてから、机に置いてあった新聞に目を向けた。

"ハンソン、エイズ機関に5億円の寄付!!"


「・・紫音、何か飲む?」

「千代たんは?」


「千代菊は、日本から持ってきたジュースのむよ。」
「じゃあ、紫音もそれ!」

「はいはい。」


あぁ、そういえばシャキーラが言ってた、ハンソンは千代菊が産まれた時位から、チャリティー活動を熱心に行う様になった。自分の財布からの寄付もそうだし、恵まれていないスラム街の子達に、サッカーを教えてあげたり、チャリティーパーティーを開いて、たくさんの機関への寄付を集めたり。本当に色々な面で社会に貢献している。


その中でも最も熱心なのはーー・・。

エイズに対しての寄付や、理解獲得の協力。

発展途上国などでは、避妊具も満足に発達していない。プラス、注射器や医療器具の使い回しや他の娯楽が無い為にセックスを好むなどの環境が種になり、エイズが蔓延している。

母体だけなら、まだ許せるかもしれないが
エイズは母子感染で赤子にうつる可能性もあるのだ。

現にー・・沢山の赤ちゃんや子供がエイズに苦しんでいる。


ハンソンは、中だしという行為が及ぼすリスクは妊娠だけではなく、エイズなどの性病という"感染病"ということを深く知り、チャリティー活動後に私に再び謝ってきた。

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