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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第16章 決戦の舞台
シャキーラに抱かれている紫音は嬉しそう。本当に、この歳にして面食いなのか?と、思いながら、私たち四人は大きな会場の中に足を踏み入れた。
シャキーラが見せてくれたチケットのおかげで、今ではもう懐かしい一番前の席に通される。昨年のプレミアムリーグの決勝戦も、ブリトニーとミュラーと一番前で見たんだ。前半は日本側のゴールのすぐ横。
「今日は、ブラジルよ!ってことで私は日本を応援するわ!」
「ふふっ、ありがとう」
「パパ頑張れるかなぁ?」
「うん。きっと大丈夫よ。」
ロシアで開催されているというのに、青色のユニフォームを着た人達が目立つ。ー・・これは、紛れもない光の努力と活躍のお陰だ。
ワールドカップ初戦は、コロンビア対ウルグアイ。
観客の数は、結構多かったらしい。ー・・まぁ、初戦だもの。見るよね。と思ったけど、この試合も相当だ。ブラジルでこれなら、イギリスはどうなるんだろう?
日本から持参した携帯ラジオを付ける。興奮した松永さんの声が聞こえてきた。・・後は遥くんと響だ!
応援団から、解説者になったの?!
一人で状況がつかめないでアタフタしている私。
"あと、五分で開始だよ!"
"えぇ。本当に興奮しますね。"
"柳沢選手は、今期絶好調ですからね~。
岸野くんや、宮元くんのサポートを受けて、とりあえずは先点を取ってもらいたいですよね"
"いやー、やっぱり絶好調の理由は、かみさんと息子と娘のお陰なのかなぁ?ぐはは!"
"そりゃあそうでしょう。柳沢選手の奥さんは本当に最高に良い女ですもん。ねぇ、響?"
"そうー・・だなぁ。あはは!"
「このこ達ー・・」
「なに?どうしたの、小百合?」
「いや、なんもない!」
何でそこまで笑ってるのよ!
普通に良い女だと褒めてくれるなら、まだしも。そこまで笑われると何か裏がある様に思われるでしょう。