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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第16章 決戦の舞台
ブラジルの有名な選手、チョゴビットと一対一で勝負を仕掛けるも、周りに居る他の選手からの削りに耐えられないと思ったのか一度、岩友くんにボールを回して後ろに戻したと思ったのもつかの間。
やはり、大学生の新人くんの情報はブラジルにも、そして私達サポーターにも届いてなかったらしい。思いの外、足が速い様で一気に宮元くんと同じラインに並び、岸野君にパスを回す。
回転しているボールを胸で受け取った岸野くんは、彼達の意思を次ぐ様にして、一度ゴールの左側にドリブルで走っていくと、その隙を狙って前に出てきた光にクロスを上げた。
ーー・・が、ブラジルの若きエース"ジャック・スタイル"に頭ではじかれて、パスは失敗。
試合開始、数分の間に起こった、この一劇に日本代表サポーターや光のファンは大歓声。
そして、忘れてはいけない松永さんもーー・・。
"見たか?!今の岩友!いやー、あの宮元の後ろに戻す選択といい、彼の前へ前へ出ていって岸野に渡す選択といい、さっきのチーム・プレイは最高だよ!"
"そうですね、岸野選手のパスは惜しいことに長身が武器のジャックに弾かれてしまいましたが、ボールが外にでたので、コーナーキックになります。日本代表、今ワールドカップはじめてのセットプレイです。"
"開始数分で、ここまでバクバクする攻めと、setプレイが見られるなんてー・・正直、凄いですよね"
"凄いよ、凄いよ!!柳沢が蹴るのか?!
それとも岩友が蹴るのか?!"
"蹴るのはー・・永野選手ですね。
となると、押し込むのは、柳沢・岩友・宮元・岸野の誰かでしょうか?"
"永野が蹴るのかー・・キャプテンの指示が、どう出るかだな。"