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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第16章 決戦の舞台
「ママ!パパが良いの?」
良い?好調ということか?
「うん。パパ達のチャンスだよ。」
「うそ、本当?!パパー、頑張れ~!!」
紫音の高い声が聞こえたのか。私達の方を振り向いた私の自慢の旦那さん。シャキーラが抱いてくれている紫音に手をふられ、心強く頷く。そして、私は、千代菊を抱きながら、彼が親善試合で私にしてくれた様に、人差し指でハートを描いた。
"お、今アイツ笑ったな"
思わず心の声が出たらしい響。
"笑ったね~。はは。家族も見に来てるだろうし先点を自分で決めたい一心しかないだろうね。"
"決めてほしいー・・ですね。"
祈る様に呟いた遥くんと同じ気持ちだ。
第三審判が、力強く笛を鳴らした時、
永野選手が、左足でゴールから離れるボールを打つ。そして、もみ合った結果、ボールを手にしたのは日本代表のメンバーだ。
短距離のパス回しで、再び宮元くんにボールがわたる。
そしてー・・安定感がある彼のボールは、
ゴールの斜め横にいた、光に無事わたった。