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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第16章 決戦の舞台
やっぱり、いくら公表されたとはいえ、堂々とテレビで何回も同じシーンを流されたり名前や職業を出されるのは嫌だもん。インターネットの掲示板とかで流れるのはもうしょうがないんだけどねー・・。
熱い紅茶を飲んでから、まだ少し長い煙草を灰皿に押し潰した時、部屋のドアが乱暴にノックされた。
「はぁー・・」
開けた瞬間に、強く抱き締められる。
「やべーよ、小百合。」
「ーー・・光?」
・・泣いてる?
「俺達、ブラジルに勝てたよ。
親善でも何でもないワールドカップっていうこの素晴らしい舞台でー・・悪魔のグループといわれるグループリーグの初戦でー・・」
「うん。見てたよ。さすがやったね。」
「俺がシュートしたんだよ」
心なしか口調が優しい。彼の顔は、未だ私の鎖骨辺りに埋まったままだ。
「うん。知ってるよー・・完璧やった。」
「何で勝てたか考えた。」
「チームメイトのおかげでもあるけどー・・」
「俺が、今シーズン、好調なのは
間違いなく、小百合が手に入ったからだ。」
「大袈裟。」
「大袈裟じゃねぇよ。あんたが手に入ってなくて、もしハンソンと一緒にでもなってたりするの見てたらー・・紫音の為とは思いつつ、ここまでじゃなかったかもしれない。」
「俺、本当にあんたにどんだけ支えられてるんだろう。」
「きっとお互い様。」
「泣くなんてマジで情けない。
優勝したわけでもないのにーー・・」
「いいやん。光の涙、大好き。」
「悪趣「黙って。」
「ー・・?」
「光、エッチしよっか。」
「ーー・・本気かよ?」
「そんなに愛してくれてるならさ、行動で示してよ。あなたがイギリスに行ったり、代表の練習で動き回ってたのもあって正直、欲求不満だよ。ワタシ」
「ー・・。」
「千代菊産んでから、二回しかしてない。
ーー・・ねぇ?エッチしよっ?」
"馬鹿小百合。
子育てで疲れてると思ったから我慢してたのに。
結局あんたも俺と同じ気持ちかよ"
と耳元で呟かれて、そのままお姫様だっこでベットまで運ばれる。腰の怪我がなおって良かったね。私の大好きな、パパ。