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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第2章 可愛いと五月蝿いは紙一重
「すみません、お連れ様がご到着になられたみたいなんですが、お通ししても宜しいでしょうか?」
「えぇ、お願いします。」
私の左腕に輝く腕時計の針はー・・午前2時30分だ。予定より、かなり遅れている。
大事な話なのにー・・三時に終わる訳がない。ため息が出そうになるのを必死に堪えるので大変だ。
「小百合ちゃん!遅くなってごめんね。」
「いえ。明日はお昼からしか仕事がないので。気にしないでください。
ーー・・それより、今月、お店どうでした?歩久場店はオープンから三ヶ月でしょ?落ちるも上がるも一番重要で、今後参考にしていきたい時期だから。」
「歩久保店は問題ないよ。オープンの売り上げより25万下がったけどそれでも、大きな損害などはないからね。」
一応立場上、私の方が立ち位置は上だ。
だけど年齢は2まわりほど違う。
勿論、私が年下で、
相手が年上。
だから、こんな妙な会話になっているんだろう。
「そうー・・他三店舗は?」
「恵比店は前回越えの285万。
他二店は、同じ180万。」
「やっぱり恵比の売り上げには勝てないか~。上手に軌道に乗ったのが恵比店だからかな。他二点は安定してはいるけれど、これといった爆弾もないし、客層も悪いのが原因なのかも。」
「確かにそうだね。」
「どんなお客さんが多い?」
「恵比は、お金持ちだね。おかね持ち以外は入れない雰囲気だし。だから揉め事とかもないよ。他二店はー・・中流から中上流かな。恵比の様に上流は居ない。だから汚い格好で来る人もいるし、女の子に茶々いれようとする人もいる。」
「歩久保は?」
「歩久保は俺たちと同じ感じが多いね。夜で働いてたり、裏の社会で生きてたり。だから一人辺りの単価は高いけど、そういう人間はいつ終わるか分からないからー・・」
「そっかー・・。他二店の値段を下げてみる?女の子も変えていいし、仕事内容も楽にしてあげよう。時給は100円~1000円減らして。出勤日数が多ければ多いほど今と時給が変わらない様に。」
「はい。」
珍しく敬語になる目の前の男は私が言っている事を必死にパソコンにうちこんでいる。