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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第2章 可愛いと五月蝿いは紙一重


ーーーキキキキーッ!!

というタイヤとアスファルトが削りあう音がする午前11時45分、新南のパーキングエリア。

「はぁ、良かった。飛ばしてきたら間に合ったー・・。」

きっと、この瞬間を見ていた人はいうだろう。運転雑過ぎでしょ。ってー・・。


結局、私はあの後、すぐには寝れず、なんだかんだ仕事に関しての用事をしている内に午前七時をむかえていた。そこから意味もなく転た寝をしてしまってー・・この有り様。本当に情けない。


「タバコ吸おう。」

音楽のボリュームを下げて、タバコに火をつける。何度も言う様に、この一服目が一番美味しいんだ。


そんな事を考えていた時、私の携帯がなった。登録していない番号だ。

「ー・・もしもし。」

「俺」


「隼人?」




「ちげーわ!!俺だよ!蓮!!」

電話越しから聞こえてる声が、
助手席の方からも聞こえるー・・。

同じ内容に同じ声ー・・。
私の車を知ってるってことは。


頭のなかを整理しながら、助手席の鍵を開ける。


ーーバタンッ!!

「ちょっと、雑。」

「確かに俺はさぁの車のドアを雑に閉めました。」

「ーー・・へ?」



「だけど、お前の運転の方がもっと雑だわ!どうやったらあんなにタイヤ削れんの?しかも電話出て、俺の声聞いて"隼人?"って。信じらんねぇ!」


なるほど。だから開口一番の言葉が、あんなに可笑しかったのか。納得だ。

「ごめんごめん。」


「いーや許さねぇ。っ、・・さぁ。顔やばいよ。何でそんな疲れてんの?」

「うそ?疲れてる?」

「うん。はじめて会った時と全然違う。すげー眠たそうだし、それに加えて睡眠不足丸出しの顔だよ。」


「ーーー・・睡眠不足丸出しの・・顔。」


「大丈夫か?昨日何時間寝た?」

「八時間。」


「嘘つけ。演技下手か。」
「ほんまに八時間やもん。」


「ほら、普段なら、そんな可愛く、語尾に"やもんっ!"とか付けねぇもん。」

普段ってーー・・この子は私のなにを知っているんだ。愛らしいけど、鬱陶しい。

「だから、八時間寝たよ!ちゃんとね。」


「だーかーらー」
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