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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第2章 可愛いと五月蝿いは紙一重

「彼女!」
「馬鹿な彼女?それともインテリの彼女?」

小馬鹿にした様な問いかけと
二三人の笑い声が電話越しに聞こえてくる。

「インテリの方だわ!」

「あ~この前の?」
「そう「いらん事言わんといてね~」

少し低めの声で釘を指してから一方的に電話を切る。あの会話からして途中で入ってきたのは遥くんだ。

本当に。響って人はー・・この前もそうだけど。
どれだけ蓮の事が好きなんだろうか?もう成人しているんだし誰と電話してようが、誰と何処に行って様が関係ないと思うんだけど。


「もしもし?」

「出るの早いですね、」
「丁度携帯持ってたから。それよりー・・なにかあった?」


「あーそれが。アメリカドルの話なんですけどー・・。」

「その事ね。どうかしたの?」


「州の法律が変わるらしくてー・・日本に持ち込めるか、が微妙なんですよね。お金だから麻薬みたいに、その場で逮捕!懲役!とかはなりませんけどー・・。ただ、審査とかが厳しくなるみたいなんで。日本に持ち込んで真っ白に変えてから再び戻したりするのもー・・」

「厳しくなるかもしれないって事?」


"まーた考え事が増える"と思いながら
少なくなった煙草に手をかけようとしたとき

助手席のドアが開いた。


"電話中?"

口パクで、そう問われる。
相手は勿論、美山蓮だ。


「大澤。ちょっと待ってね。」


「お疲れさま。仕事の電話やから出てくるね。
あのエレベーターの前の灰皿って一般でも大丈夫?」

「大丈夫だよ。俺が運転するから運転席移動しとくわ」


「あーありがとう。」


煙草とライターをもって、喫煙所らしき所に向かう。



「大澤ごめん、大丈夫やで。」


「はい!ー・・えっと、だからまぁとりあえず難しい、と。でも今さら断れないですからね・・。」

「確かに。この時期逃したら向こうが損するから。ー・・金に変えてもらおうか。」

「そうっすよね。多分それが手っ取り早い。」


「額どんくらいだっけ?」
「67億です。」


「分かった。それを金に変えて・・日本に送ってもらおう。後は、あの人に株券送ればいいだけだから。とりあえずそれで4億くらいはプラスになるでしょ。今年中に。」

「ナンパーセントになるんすかね?」

「67億だったらー・・1.3%位かな。時価で今だと65億。」
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