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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第2章 可愛いと五月蝿いは紙一重
「なるほど。ー・・まぁ、はじめの計画とは違いますけど急ぐしかないですよね。来月になったら会社が動き出しますしー・・。」
「そうだね。せめて今月の末には買い終えないと駄目かな。法律改正してからだと、また面倒な事になるし」
「わかりました!じゃあ、あの人にメールしてみます。多分断られるなんて事はないと思いますけどー・・」
「金に変えるのも手間隙かかるからね。早めに伝えといてあげて。」
「わかりました!じゃあお疲れさまです。」
「はーいお疲れ様ー。」
大澤と電話を切って、やっと煙草に手がかけられる。
冷静に"成功する確率""失敗する時の状況"などを考えれるのは煙草を吸ってる時だ。
ルージュがとれかけている唇でシガレットを加えてー・・ライターで火をつけようとしたけどーー・・。
「なにこれ、付かへんやん。」
ライターがつかない。さっきまではついてたのに。
「ハイ。」
「あ、すみません」
高そうなジッポを受け取り、お礼を言うために顔をあげる。
「大きい取引の話だね~」
「ーー・・うわ」
わたしの目の前には、意地悪なあの人と第一印象最悪だった内の一人。
「心の声でてるよ」
なんて笑って言われるけど、奥底はなにを考えているのか分からない。人間誰しもそうなんだろうけど、この人の場合は特に、だ。
「ーー・・すみません、ありがとうございました。」
なるべく関わらない様に冷たくー。
「蓮と仲良くなったんだね」
「ただの友達ですけどね。」
「どうかな。」
キャビンの箱をグシャグシャにして、ごみ箱に捨てながらそんな事を言われた。本当にただの友達だ。
「どこ行くの?」
「さぁ?迎えにきて、としか言われてないんで。」
「ふ~ん。一緒に行こうかな」
「・・・・はぁ?」
しまった!
「え?別にいいじゃん。二人で行くよりは、あいつの為にもなると思うけど。」
「いやー・・確かにそうですけど。」
「光、お前予定は?」
「何もない。ただ、明日には海外帰るから遅くまでは居ない。」
「俺も明日ライブだし。
丁度いいじゃん。あの車でしょ?」
いやいやいや、わたし意見は?
一緒に行動しても良いなんて一言も言っていない。
ーーー・・だけど、何度も言う様に、こんな性格だ。
押しにはよわい。