この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第3章 寂しがりやの法則
「私、飲んでないから送っていくよ。まず蓮から。」
「はぁ?!」
「予想以上にしんどい。」
「・・でも!ー・・っ分かったよ。北九駅の近くで降ろして」
いかにも腑に落ちなさそうな態度をされるけど、しょうがない。あれからそのまま帰ってたならまだしも、ご飯を食べに行ってなんだかんだで気疲れしているのだから。
「俺は新南のロータリーでー。」
「俺は緑山。」
柳沢がまさかの緑山ー・・ここ、東京で郡を抜いている高級住宅街だ。どちらかと言えば遥君のイメージっぽいのに。
なんて思いながら運転を再開する。
横で不貞腐れている蓮は可愛らしいけども、やっぱり二日連続はキツい。蓮と性格が合わないのかー?それとも、この時期が悪かったのか。
別に嫌いではないし
どちらかといえば、可愛らしいなぁと思って好きの部類に入るのは確かなんだけどー・・。
好かれる事が苦手なのかもしれない。
彼氏彼女っていう関係がー・・特別視されるのがー・・得意ではない。
「そこ左ね。」
「はい。」
BGMは、オルゴールに切り替わった。
時間帯とお腹の具合、そしてオルゴール。私は運転をしているからマシだけど、他の三人は眠たいだろう。
雨はすっかり止んでいた。
北九独特の居酒屋等のネオン看板が見えてくる。
歩いている人は酔っぱらっているサラリーマンや、若い子達が多い。大阪で例えるならば難波辺りかな?
京都の祇園とはー・・また違う。
「人多いんやね。」
「うん。まぁ、駅から近いしバレる事はないけどな。」
「そう。」
我が物顔で、灰皿の蓋をあけ紫煙をふかす蓮。
隣に止まったのは、車体がかなり低いクラウン。
乗っている子は若い子だろうか?
高級車と呼ばれていたクラウンが
今は何故か、ヤンキーみたいな人に好かれている理由。
それは型落ちしたのは値段がとても安いからだろう。
同じ国内高級車ならレクサスが良いが
レクサスの型落ちはー・・最低でも150は要る。
手が届かないからクラウンー・・?
「変なの。」
「ん?」
「あ、ごめん。独り言。」