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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第3章 寂しがりやの法則
それからは遥君と色々な話をした。
お互いの事、というよりは芸能界の事とか、新作のドラマの内容とか、そんな感じだ。
遥君のグループは五人グループで
その中で常にセンターにいるのは響くん。
その横にいるのが、遥くん。
でも人気的にはそんなに変わらないと思う。
年によるのだろうか?去年は響くんのほうが人気があったと何かで聞いたけど、今年は遥君のほうがグッズの売れ行きにしろ何にしろ、響くんを追い抜いたらしい。
そんなツートップの片割れー・・。
話をしていて分かった事がある。
この人は腹黒いし、口調と裏腹にたぶん、一番あの四人の中で冷たい性格だけど、頭が良い。
響が学歴だとしたら
遥は要領、だろうか?
自分の知らない事は素直に知らないというし
その場の空気を読んで、何をいえば私が笑って、逆に何をしたら不愉快な気分になるのかをこの短時間でしっかりと掴まれてた様な気がした。
「ここらへんでいいの?」
「あー、そのマンションだから。」
「オッケーです。」
「お疲れ、ありがとう。
こいつの家なんだけどー・・緑山の三丁目だから。」
「分かった。とりあえず、そこら辺行ってからこの子起こしてみるよ。」
「それがいいな。気を付けろよ。」
「うん。オヤスミ。」
「おやすみ~」
へにょへにょと手を振ってから、オートロックを解除し、エレベーターへ向かっていったであろう白河遥。
中々良いマンション。
「よし、最後の一人。」
小さな声で気合いをいれながら、少し遠目の緑山へと向かう。時刻は22時を過ぎた所だ。
明日の蓮との約束は、ドタキャンしたいほど面倒臭い。基本的に時間を無駄にはしたくないけど、明日はゆっくりと休ませてほしかった。