この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第3章 寂しがりやの法則
【はい、私は今、イングランドのMCスタジアムに来ています。今日はプラチナリーグの開催前の親善試合という事だけあって沢山の人が応援に来ているんですけどもー・・なんと、その数、6万人を越えているそうです!】
カチャカチャしていたのが止まった。
サッカー・・かな?
【本日は、マンチェスブエノスとアーセの試合です。
やはり両方名門というだけあって観客の熱気の上がり具合がすごいですね。ただ・・マンチェスの主要メンバーが皆自国に帰っているということなので、消化試合という風にも取れます。】
「試合やのに、帰っていいもんなの?」
「親善だしな。ちょっと遊ぶ程度の試合だから。
選手はワールドカップとか大きなリーグで優勝する事が目標だからな。」
ただの遊び試合って事かな?それなのに六万人越え・・純粋にすごい。両方のチームがよほど有名なのか。
「MCスタジアムって行った事あるわ、そういえば」
「え?なんで?」
「イギリスに留学してたから。四年間。友達とかとあっちに出ていった時に中入った。私はサッカー詳しくないから見てても分からんし、座って寝てたけど。」
「へぇ~。勿体ねぇな。」
「そうなん?」
「あのスタジアムで試合できるのは、結構有名なクラブだから。二軍とかじゃ絶対無理だし・・。」
「そうなんや~。」
と、特にオチの無い会話をしている内に私たちの煙草は短くなっていた。柳沢もそれに気がついたのか、灰皿に押し付けて、火を消す。
「歯ブラシと服置いてるから。」
「あーさんきゅ。お先。」
絶対に有り難いと思ってなさそうな声色で礼を言われる。
「よし、ちょっとでも計算進めよ」
そう呟くと、私はテレビを消して書類を机の上に広げた。あとは恵比店と歩久保店だけだ。恵比店に在籍している女の子達がもって帰る給料は半端じゃない。
そこら辺のホステスよりは余裕で稼いでいるし、
一応、社会保障も付けている。色々差し引かれて、多い子で月に230万。
本当に色々な稼ぎ方があるもんだ。