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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第3章 寂しがりやの法則
真っ暗な世界の中に、長く続く階段がある。白色の階段だった。私と思われる女性は、がむしゃらに・・ただ、ひたむきにその階段を登っている。
その先に何があるのか、なんてのはここからじゃ見えない。私はー・・何を求めて、あんなに必死に上を目指しているの?
何がしたくて
何に癒しを感じているのだろう?
ーー・・・・そこでふと、目が覚める。
カーテンからは日の光が溢れていた。朝独特の可愛らしい鳥の鳴き声がきこえる。時刻は、七時半。
携帯を見ると、アラームはまだ鳴っていなかった。もう完璧に目が冴えたので、アラーム設定を解除してゆっくりとリビングに向かう。
隣には幸せそうな顔で寝ている柳沢が居た。
子どもは寝ている時が一番かわいい、と言うが
この子にも言えてるだろう。
昨日ー・・私はどうしようもなくなったので
泣く泣く、布団に入り目を瞑って寝る努力をした。
疲れのせいもあったのか直ぐには眠れたがー・・
それまでは"続きの快楽欲しさ"に辛い思いがあった。
結局、何のために私にあんな愛撫をしたのだろう?
強情なオンナがヨガル姿を見たかったのか?
それだとしたら正真正銘のエスだ。
普通、あの場面で自制心が働くなんてことはー・・まぁないと思う。抱けない程見にくい外見、って訳でもないし。
腑に落ちない思いを抱きながら
リビングのカーテンを全部開ける。
ちょうど、お日様の光が当たって気持ちが浄化された様な気分になった。
「あー気持ちー。」
軽く伸びをして、冷水気の水を飲む。
美容を考えたら、冷たい水ではなく常温の水をおきて直ぐ飲むべきだ!と言うのはインターネットで何度も見た情報だけど、朝イチで、この冷たいお水が喉を通る感じはたまらない。
いつも通り、控えめな音量で音楽をつける。
今日はジャズだ。ハスキーボイスのフランス人歌手の歌声からはじまった。
軽くリズムに乗りながら
顔を洗い、歯を磨く事にした。