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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第4章 類は友を呼ぶ


「ありがとうございます。素敵なご旅行を」

「こちらこそありがとうございます。」

搭乗チケットを受け取り、喫煙ルームに入る。
周りは上等なスーツを着たサラリーマンばかりだ。

家族連れには少し早い時間なのか?
それともターミナルの違いか?

そんな事を考えていたとき
大きな声と共に深く帽子をかぶった男の人が喫煙室に入ってきた。


「え?」

「あぁ。-・・だから、ロンドンではすでに流行してるんだよ。
それをアレンジして売っても利益上がんねぇだろ!」


「ネクストウィークじゃ遅いの!トゥーレイト!

can you understand?(理解できる?)」


仕事の話だろう。電話先の人に結構な剣幕で怒鳴っていた。

キャンユーアンダースタンド?の発音が良いところを見ると、その言葉を頻繁に使っているのかー・・ところどころ英語交じりの日本語なのに少し笑える。


「え!?今日?無理だよ。
俺、弟が仕事でイギリスに来るから飯くいにいくし」


「だーかーら!トゥギャザーワークでしょ!?一緒に働いてるの!
酸いも甘いも一緒に経験するんだよ!お前だけしんどいわけじゃない!
ユーアーノットオンリープアー!」


この調子でイギリスでも仕事の電話をするのだろうかー・・。
それはやめて頂きたかった。

日本人はうるさい。と思われたら堪らない。

世間は視野の狭い人間の方が多いのだ。
日本人1人のせいで日本全体がそう思われてしまう。


周りの人も同じ事を思っているのか、この人を見る目は少し冷たい。


皆、これから異国の先での仕事に取り掛かる矢先に、こんなうるさい人に出会ったら疲れてしまうだろう。

もっとも、私は月末をおえて
精神的にも結構安定しているから怒りを覚えることはないが。
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