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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第4章 類は友を呼ぶ
そんな時ポケットの中で、マナーモード特有のバイブが鳴ったのがわかった。
私だ。
ディスプレイにはー・・美山蓮、と表示されている。
さっきの人の事もあるし、タバコを消して、喫煙室の外に出る事にした。
「もしもし、おはよう。」
「おはよ。もう空港居るの?」
「うん。もうすぐ飛行機乗るよ。」
「そっか。イギリスだっけ?」
「そう、ロンドンに居ると思う。」
「へぇ~お土産よろしく。」
「蓮の方が海外行くやん。」
「俺、ロンドン行った事ないんだよ、本当に。」
「はは、分かったよ。了解。」
「まぁー・・気を付けて行ってこいよ。
言葉通じるから大丈夫だとは思うけど一応外国だし、危ないからな」
「過保護な父親かって。ありがとう。気を付けるよ」
「おう。じゃあ、撮影はじまるから切るわ」
それだけ?!と思ったけど、彼なりの優しさだ。
まだ付き合い自体は短いけど、人を見る目には自信がある。だから、これが優しさだと気付くのも容易だ。
「ありがとう。頑張って!」
珍しく、そんな事を言って電話を切った。
シャキーラと久しぶりに会ったらー・・まず、聞かれるのはボーイフレンド出来たの?ってとこだろう。彼女は恋愛大好きだから、彼氏より仕事・勉強!の私が信じられないらしい。性格は真反対だけど、なぜか合う。
由紀の事も大好きだけど
シャキーラの事も、同じくらい愛していた。
そんなブロンド美人の可憐な恋愛歴を思い浮かべながらターミナルへ歩みを進める。
ー・・有名な英俳優に、米の映画監督。
香港の投資家、こんなの序の口だった。
彼女が付き合った事がないのは
石油王とか、どこかの国の王子さまだけだろう。
"狙った獲物は逃がさない"
"奪略?日常茶飯事よ。"
そんな言葉が似合うの女性は私が知っている限りシャキーラだけだ。