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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第4章 類は友を呼ぶ
「はい、マダム。お名前は?」
「サユリ・キクノ。二人で予約したわ。」
「ミセス・サユリ・・あぁ。ありがとうございます!お部屋にご案内させて頂きます。」
紙袋も各自、二・三個持った私たちがチェックインを済ませたのは此処、イギリスでは一番格式高いホテルだ。
馬鹿にならない程の大きさとエレガントさをもったラウンジは勿論、フィットネスクラブ、ジャグジー、プール
そして、大きなパーティー会場までもが併設してある。
日本で人気のある、某ハイブランドのデザイナーが変わった時のはじめてのパーティーは此処、デューレ・ア・モーレで行われたらしい。シャキーラ説だから多分本当だろう。
私たちが予約したのは、そんなホテルのセミスウィートだ。スウィートにしようと思ったもののお互いの予算を越えた為、ワンランク下のお部屋になった。
それでもこの扱いー・・トップの方達はどんな扱いを受けているのかちょっと気になる。
ホテルマンにエスコートされ、金色のエレベーターに乗り込んだ。背の高い彼はSWと書かれてあるボタンを押す。
そのボタンの上にあるSがー・・特上か。
同じ事を思ったらしきシャキーラと、ふと目が合い思わず笑ってしまった。
「どこに住んでいるんですか?」
「一応、国籍はスペインだけど今はタイで仕事をしてるの。彼女は日本よ。」
「え?なぜお知り合いに?」
「私たちは、同じ大学に在籍していたの。不思議でしょ、卒業しても旅行に行ける仲なんて。普段はそんなに連絡取る訳でもないのにね。」
「常に連絡をとっている人ほど、案外離れやすかったりするのです。連絡がなくても、どこかで繋がっていて
ー・・会えば、昨日の続きの様に話をできる人達の方が末長く仲良くしていけるのでしょうね。」
どこか深い事をホテルマンが言ってきて、妙に納得した。
「着きました。どうぞ」
エレベーターを降りて、四つあるうちの
一番はじっこの部屋へ案内される。
ウェブページ上で見るよりー・・綺麗だった。
いや、綺麗とは言わないか。
言葉にできないほど、上品でエレガントー・・の方が正しいだろう。
「すごいわね、ありがとう。」
「こちらがルームカードになります。
これを見せて頂くと会員制ラウンジなどもご利用可能になります」
「ええ、分かったわ。」
「では。」