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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第4章 類は友を呼ぶ
そして、シャキーラは再び自分の恋愛話に華を咲かせた。
黙って聞いてあげるのが私の役目でもある。
「彼ったら、私よりお金が大事なんですって。大きい取引があるからって良いムードのときにお堅い背広なんか着て行っちゃったんだから」
「はは。それは面白い話だわ」
「ぜんぜん面白くないわよ!それならコールガールでも呼べって感じ」
「でも、彼が仕事をがんばっているから、あなたは美味しいディナーや綺麗なドレスをプレゼントしてもらえてたのよ?」
「そうだけどー・・うぅん。まぁね。貴方が正しいわ。
だけど私には合わない!あんな男ー・・。誰とも出会いそうにないし、結構長い間シングルで居たりしてね」
「彼氏ほしい?」
「変なのなら要らないわ。紳士な人がいい」
「あーチャリティ大好きの英国紳士?」
「はは、シャラップ!」
軽くグラスで頭をたたかれる。スキンシップの内だけど、こんなの。
思いっきり身内の笑い話を出来るのは気が楽でうれしい。お互い誘い合ってパーティーに出席したりすることは何度かあったけど、やっぱ気を使うからここまでの気軽さは無いのだ。
「あー、ちょっとお手洗い行ってくるわ。
ヘイ、セクシーバーテンダーさん。ウォッカのストレートをお願い」
「かしこまりました。」
「酔ってきたのにウォッカのストレートって・・。さすがシャキーラ」
上機嫌でトイレに向かう彼女の後姿を見て、バーテンダーの彼と少し笑った。話によるとフランス出身らしい。今はこちらの学校に通いながらバーテンダーとして仕事をしているとの事。-・・外国人なのにこんな高級なラウンジで雇ってもらってるのだから、よっぽど人間的にすばらしい人間なんだろう。
彼の青い綺麗な瞳を見ながら、モノ思いにふけていたとき、
シャキーラが座っていたイスとは反対側に、男の人が座ったのに気がついた。
「あ・・・。」
「やぁ」
満面の笑みで、ウインクをしてくる白人のこの男性は、ソファー席に座っていた4人組みの内の1人だ。
「ピアノと歌声、最高だったよ。
そしてー・・君のそのスタイルもね」
「ありがとう。」
「お友達、面白いんだね」
「そうでしょ。シャキーラっていうの。凄く面白くて良い子だわ」
「話の内容、あっちまで聞こえていたよ。」
「うそ?それはたまげた」