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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第4章 類は友を呼ぶ
「頼みたいことって何かしら?麻薬とか、売春とか、そういった内容なら断るわ。しっかりワインのお金も返すしね」

「はは。違うよ。
ヘイ、ミスター・ハンソン」

マセラと名乗るハンサムな男は、少し大げさにソファー席に座っていたもう一人の白人男性をこちらに呼んだ。残りの2人は、あきれた様なー・・でもどこか面白そうな顔をしている。今からいったい何を頼まれると言うのだろうか?


「小百合、で合ってるか?」
「えぇ。ハンソン」

「はい、シャキーラよ」
「よろしく」

一応、軽く握手をする。二人とも、実際に隣に立たれて分かったけど身長が大きい、というよりガタイが良い。まるでスポーツをしている様だ。



「で、頼みって?」

ここで、根っからのスペイン人気質が出てしまったのか疑うかのようにして、マセラに問いかける彼女。

「もう少しでパーティーがはじまるんだ、あそこの会場で。そこに一緒に出席してくれないか?」
「パーティー?何の?」

思わず聞いてしまう。確かに人通りが激しくなったなぁとは思ったけど、どこにも看板なんて出ていなかった。パパラッチなんていなかったしー・・。デザイン関係とは思えない。


「んー・・・。大事なシーズンに入る前のパーティーかな?」

「前夜祭?」


「前夜祭とは違う。ただ皆で、表向きだけでも仲良くしましょう。
あくまでも“このシーズンは怪我をしないように、試合ながら楽しむように”って事を約束するのさ」


怪我?試合?


「なに?あなたスポーツ選手?」

「あぁ。僕たちはサッカー選手だ。」


「なるほどね、私たちを自分のパートナーに見立てて、綺麗なお姉さまからの誘惑を断ち切ろうってわけ?」

「さすが、シャキーラ。絶対そうね」



「・・・何でもお見通しなんだなー・・。そうだよ。僕たち2人はパートナーが居ないからね。それを知ってるであろうモデルの女性達なんかにアピールされるのは分り切っているからさ。でもー・・面倒臭いんだ。だから、それなら思い切ってパートナーの振りを誰かにしてもらおうってなったんだ」


「そこの残り2人にしてもらえば?」


「やめてくれ。僕達はノーマルだよ」

外国人は“ゲイネタ”によく笑う。それを知っての発言だった。
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