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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第4章 類は友を呼ぶ
「しかも君達2人は綺麗だから連れて歩くのにも鼻が高い。
小百合は凄いエキゾチックでセクシーだし、所作もドレスも綺麗だ。
シャキーラもラテン系のセクシーさと愛くるしい表情を兼ね備えているし、人当たりがよさそうだからね。」
「私はパス。」
「小百合、なんで?私は別に良いわよ」
「だって・・・パーティーとか面倒臭いじゃない。
日本人だし、たぶん唯一の着物だから目立ちそうだわ」
「こういう場に参加するのも大事よ?女性らしさが失われるわ」
お国の違いはあれど、泊まりに来た時に平気で寝ながらオナラをする彼女には一番言われたくないセリフだった。
「うーん・・・。」
「頼むよ、小百合。お願いできないかな?」
迫真の演技で、ここまで頼まれたら、断れない。渋々首を縦に振った。
「センキュー。君は凄く優しいよ」
ワインを置いたばかりの左手の甲に軽くキスをされる。えらい洒落た感謝の仕方だ。
「ヘイ、君達よく聞け!散々“無謀だ”とか言ってたけどオッケー貰ったよ。天使ちゃんたちにな。」
大げさに残り2人の友人に報告するハンソン。彼の英語の訛りはー・・ラテン系だろうか?シャキーラのスペイン訛りと近いものがある。・・・出身はコロンビアとか?
とりあえず、私達は彼達と同じテーブル席に移ることにした。
はじまるまで、残り20分らしい。
「でも、何で私達?もっと居たでしょう?」
「あぁ、モデルとかだろう?でもー・・勘違いされたら困るからね。」
「確かに、つけあがる女性も居るでしょうし。
逆に“私をトリックに使うの?”って怒るヒステリックな人も居そうだわ」
「そうなんだよ。」
「で、そんなとき、君達の会話が聞こえてきたってわけさ。凄くサバサバしていて良い意味で“扱いやすい”人だなぁって直感的に思ったみたいだよ。二人とも、所作が凄く綺麗だから、人前にも連れていきやすいしね」
と今まで黙っていた黒人男性が口をひらく。顔に似合わず声は心なしか高かった。でも喋り方は凄く優しい。
「勝手にオーディションされてたって訳ね。笑っちゃうわ」
と悪戯に舌を出すシャキーラが何だかかわいく思えた。