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第1章 始まり

（あぁ、腰痛ぇ。）

慣れた手つきで腰をトントンと数回叩くユミの背後から、いつもの声が聞こえる。

「ヤリ過ぎじゃね？」

「そうだといいんだけどね。」

ユミは振り返り、呆れた顔でクラスメイトの中でも気が置けない友人であるマドカに答えた。

「なんなの？ヒデキとうまくいってないの？」

ウェーブの掛かった自分の髪をクルクルといじりながら興味なさげに尋ねるマドカに、ユミは微笑みを投げかける。

「何よ？じっと見つめて。」

とある都立の学校。
ユミが通うこの平凡な学校のチャイムが鳴り、いつもの日常が始まる。

「べつに・・・、ふふ。」