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フライングバタフライ
第1章 始まり
ユミが大歓声を浴びている路地裏から少し離れた場所に停車していた、黒塗りの高級車のウィンドウがゆっくりと閉まった。
後部座席に座っていた肥った初老の男が運転席の男に尋ねた。
「なるほど・・・サメジマ、面白いな。彼女の名前は?」
運転席の鋭い目の男が静かに答える。
「確か、ユミとかいう高校生です。夜な夜なここに現れてストリートファイトに勤しんでいるようで。」
金の指輪が輝く丸々とした指で自らの顎を撫でながら男は笑う。
「ほう、気に入った。彼女、うちに誘えないかな?」
「えっ・・・うちに、って、権藤組にですか?」
「うはは、それも面白いが、彼女はビジネスになる。」
「ビジネス・・・、ですか。」
後部座席の男はゴンドウ。彼は権藤組12代組長でこの界隈を仕切るヤクザであった。
「そうだ。彼女の身辺を洗っておけ。」
「わかりました。」
サメジマはハザードを消し、高級車は街の闇に消えていった。
後部座席に座っていた肥った初老の男が運転席の男に尋ねた。
「なるほど・・・サメジマ、面白いな。彼女の名前は?」
運転席の鋭い目の男が静かに答える。
「確か、ユミとかいう高校生です。夜な夜なここに現れてストリートファイトに勤しんでいるようで。」
金の指輪が輝く丸々とした指で自らの顎を撫でながら男は笑う。
「ほう、気に入った。彼女、うちに誘えないかな?」
「えっ・・・うちに、って、権藤組にですか?」
「うはは、それも面白いが、彼女はビジネスになる。」
「ビジネス・・・、ですか。」
後部座席の男はゴンドウ。彼は権藤組12代組長でこの界隈を仕切るヤクザであった。
「そうだ。彼女の身辺を洗っておけ。」
「わかりました。」
サメジマはハザードを消し、高級車は街の闇に消えていった。