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ふしだらで曖昧
第2章 無知な思考
身体が熱い。
頭がぼーっとする。


パンを食べた時は特に何もなかった。
コーヒーを飲んでから、身体に異変を感じた。

ただ、最初はコーヒーが熱かったせいかと想ったけれど、どうやら違うらしい。
コーヒーの中に、何かが入っていたみたいだ。


パジャマ姿から、普段着へと何とか着替えを済ませ、身支度を整えるも、身体が可笑しい。

女はそのまま、ベッドへ身を預けた。


ーー今日は、ママに逢えるかもしれない


意識が闇へと消えて行った。




まだ、幼かった私にママの死は、絶望的だった。
ずっと二人だけで居たから。

生まれてから、私の世界には、ママしか居なかった。ママが全てだった。
これからは、家族4人で楽しく生活が出来るんだと、そう信じてたのに…。


ママが死んでから、パパとお兄ちゃんは変わった。
それは、私が中学にあがってからだった。

私の身体付きが、少しずつ女になっていく。


それを初めて意識したのは、お風呂の時だった。
今までも、そうだったように、私はお風呂をパパと入っていた。

その日はたまたま、お兄ちゃんが研修か何かの用事で家を開けていた。


『茉莉の身体も女になって来たな』

『一応、成長してますから』


パパの言葉が嬉しくて、ドンッと胸を張って笑った。だけど、パパは違ったみたい。

私はただ普通の親子の会話だと、想ってたのに。


その時のパパは私を、一人の娘として見ていた訳ではなかった。
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