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ふしだらで曖昧
第1章 男と女
カチャ…


枷とは違う音が聞こえた。
女は機械から与えられる快楽に夢中で、気付く様子もない。

一人の男が現れた。


黒いシャツに黒いズボン。
そして、黒い革靴に黒縁眼鏡といった、黒ずくめの男だ。

男はゆっくりと歩き、女の前に立った。


女は当然、気付かない。


男はズボンのポケットから一つの鍵を取り出した。それは、鉄格子の鍵。

カチッと小さな音を立てて、鍵が開く。
開かれた扉からゆっくりと中に入った。


男は悪戯につま先で女の秘部に咥えられたバイブをつついた。


「んひっ!はん、んん…!」


女の身体は面白い様に跳ねる。それを見て、男は口元をつり上げて、声を潜めて笑う。

男は女の反応を一通り堪能した後、目線を同じにする様に座り込む。
女の荒く乱れた吐息が耳に近くなった。


男は指先で女の身体をゆっくりなぞる。
それにあわせる様に、女の身体はくねくねと動いた。


男の表情は笑みを浮かべたままだ。


「んふ、ぅ…っ、はぅ…」


口枷の隙間から涎が顎を伝って流れる。

男は女の口枷を外した。


「んは…っ、ああ…」


吐息と共に声が漏れる。
秘部でバイブかうねうねと動くのを感じながら、目の前に居るであろう、男を呼ぶ。


「おにい、さま…」
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