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絹倉家の隷嬢
第1章 邂逅
男は腰を前後させ始めた。
男はあの肉棒をどうしているのか?
女の尻の間にはさんでこすりつけているのだろうか?
どうして女はあんな声を出しているのだろう?
修一は何かに突き動かされるように縄を両手でつかみ、壁沿いを素早く伝い地表まで降りると、急いで縄を回収し、垣根を飛び越えて絹倉邸の敷地から逃げるように出ていった。そして森の中へ入りしばらく走ると、崩れるように座り込んだ。
修一は着物の裾と腰巻とをまくり上げ、小ぶりながらもピクピク張った陰茎を片手でつまんで素早く上下させ始めた。
なぜこの動きを始めたのか分からない。ただ、体内に充満する黒い渦を吐き出したい衝動に駆られている内に、さっきの男がやっていたこと――陰茎を何かでこすれば、体内の渦を吐き出すことができる気がしたのだ。
やがて、修一は陰茎からじわじわと甘いしびれのようなものがわき上がってくるのを感じた。そしてそのしびれは全て頭の中に集まり、何かが体の中で爆発し、一気に体外へと噴き出していった。
しばらくの間、修一は生まれて初めて味わった強烈な快感にぼんやりしていた。
修一は、陰茎の先からわずかに液体が漏れ出ているのに気づいた。小便を漏らしたと思ったが、少しトロッとしている――。体の中で渦巻いていたものはすっかり消え失せていた。
それ以来、修一は絹倉邸の例の部屋が紅く灯るたびに覗きに行った。男の女への鞭打ちは決まって毎週火曜の晩に行われることも分かった。相変わらずおぼろげにしか見えず、二人が誰なのかも分からなかったが、修一はその都度、体内に渦を巻き起こさせ、森へ走り、自身の陰茎をしごいた。
しかし――
絹倉邸のその『催し』は、ある日を境にぴたりとなくなった。
修一もしばらくは毎週火曜に部屋の様子を遠くから見ていたが、一向に灯りは点かなかった。灯りを消しているだけかとも思って壁を登り覗いてみたこともあったが、やはり部屋には誰もいなかった。他の曜日に行われているのかもと思い、一週間毎日見に行ってもみたが紅い光は漏れてこない。
そのうち様子を見に行くのが隔週になり、一ヶ月に一回になり、それでも『催し』は行われることなく――いつしか修一は絹倉邸に行くことがなくなった。
男はあの肉棒をどうしているのか?
女の尻の間にはさんでこすりつけているのだろうか?
どうして女はあんな声を出しているのだろう?
修一は何かに突き動かされるように縄を両手でつかみ、壁沿いを素早く伝い地表まで降りると、急いで縄を回収し、垣根を飛び越えて絹倉邸の敷地から逃げるように出ていった。そして森の中へ入りしばらく走ると、崩れるように座り込んだ。
修一は着物の裾と腰巻とをまくり上げ、小ぶりながらもピクピク張った陰茎を片手でつまんで素早く上下させ始めた。
なぜこの動きを始めたのか分からない。ただ、体内に充満する黒い渦を吐き出したい衝動に駆られている内に、さっきの男がやっていたこと――陰茎を何かでこすれば、体内の渦を吐き出すことができる気がしたのだ。
やがて、修一は陰茎からじわじわと甘いしびれのようなものがわき上がってくるのを感じた。そしてそのしびれは全て頭の中に集まり、何かが体の中で爆発し、一気に体外へと噴き出していった。
しばらくの間、修一は生まれて初めて味わった強烈な快感にぼんやりしていた。
修一は、陰茎の先からわずかに液体が漏れ出ているのに気づいた。小便を漏らしたと思ったが、少しトロッとしている――。体の中で渦巻いていたものはすっかり消え失せていた。
それ以来、修一は絹倉邸の例の部屋が紅く灯るたびに覗きに行った。男の女への鞭打ちは決まって毎週火曜の晩に行われることも分かった。相変わらずおぼろげにしか見えず、二人が誰なのかも分からなかったが、修一はその都度、体内に渦を巻き起こさせ、森へ走り、自身の陰茎をしごいた。
しかし――
絹倉邸のその『催し』は、ある日を境にぴたりとなくなった。
修一もしばらくは毎週火曜に部屋の様子を遠くから見ていたが、一向に灯りは点かなかった。灯りを消しているだけかとも思って壁を登り覗いてみたこともあったが、やはり部屋には誰もいなかった。他の曜日に行われているのかもと思い、一週間毎日見に行ってもみたが紅い光は漏れてこない。
そのうち様子を見に行くのが隔週になり、一ヶ月に一回になり、それでも『催し』は行われることなく――いつしか修一は絹倉邸に行くことがなくなった。