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絹倉家の隷嬢
第5章 歯車
階段から二階に登ってみる。
屋敷の中をまともに歩くのも、階段を使って二階に登るのも初めてだ。
二階も同じく、どの部屋も空っぽだった。
修一は二階廊下の突き当たりまで来た。
目の前の扉は――桜子と過ごした深紅の部屋の扉だ。
修一は取っ手に手を掛けた。鍵は掛かっておらず、扉が開いた。
そこに、桜子はいなかった。
ソファもスツゥルも、棚も置き時計もカアテンもない。
深紅のびろうどの絨毯と――壁の生き人形だけが残っていた。
縄と鞭は――ない。
七体の生き人形は、死んでいた。
修一には、そう見えた。
修一は、絨毯の上に三角座りした。
そして、どれくらいの時間か分からないが、かなり長い間そうやって呆けた。
やがて修一は、部屋の中で下半身だけ裸になった。
そしてあぐらをかくと、陰茎をしごき始めた。
修一の小刻みな荒い息だけが、静寂に包まれた部屋の中に響く。
七人の桜子は、もう何も言ってくれない。
煽り立ててもくれない。
見てさえも、くれない。
やがて、修一は身体を震わせると、陰茎の先端から精の液を噴き出させた。
体液は空中を舞い散り、落下し、そしていくつもの飛沫を絨毯の上に描いた。
その量は、以前より少しだけ、増えたように見えた。
<終>
屋敷の中をまともに歩くのも、階段を使って二階に登るのも初めてだ。
二階も同じく、どの部屋も空っぽだった。
修一は二階廊下の突き当たりまで来た。
目の前の扉は――桜子と過ごした深紅の部屋の扉だ。
修一は取っ手に手を掛けた。鍵は掛かっておらず、扉が開いた。
そこに、桜子はいなかった。
ソファもスツゥルも、棚も置き時計もカアテンもない。
深紅のびろうどの絨毯と――壁の生き人形だけが残っていた。
縄と鞭は――ない。
七体の生き人形は、死んでいた。
修一には、そう見えた。
修一は、絨毯の上に三角座りした。
そして、どれくらいの時間か分からないが、かなり長い間そうやって呆けた。
やがて修一は、部屋の中で下半身だけ裸になった。
そしてあぐらをかくと、陰茎をしごき始めた。
修一の小刻みな荒い息だけが、静寂に包まれた部屋の中に響く。
七人の桜子は、もう何も言ってくれない。
煽り立ててもくれない。
見てさえも、くれない。
やがて、修一は身体を震わせると、陰茎の先端から精の液を噴き出させた。
体液は空中を舞い散り、落下し、そしていくつもの飛沫を絨毯の上に描いた。
その量は、以前より少しだけ、増えたように見えた。
<終>