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浮気断定社
第10章 依頼人 高橋 美樹
結審の日。
雄弁な俺の最終弁論に靡いた裁判官は
加害者にでっち上げられた少女に
慰謝料500万円の支払いを命じた。
あの少女の絶望の瞳が一瞬目に入ったが
感情に取り込まないことにした。
企んだ娘と親はほくそ笑んだ。
ーーサイテーの奴等だな
そう思ったが俺もそのムジナだ。
その日に振り込まれた破格の報酬は放置した。
山のような案件を抱えていた俺は
感傷に浸っている暇などなかった。
事務所に戻ると別の案件に手をつけた。
かなり遅い時間に加害者にされた少女が訪ねてきた。
扉に佇んでいた少女は
俺が顔をあげると深くお辞儀をした。
「少しお時間よろしいでしょうか?」
丁寧な挨拶をする少女に
こんな子があんな酷いことできるわけねぇよな
そう思ったがもう終わった裁判だ。
口にするのはやめておいた。
雄弁な俺の最終弁論に靡いた裁判官は
加害者にでっち上げられた少女に
慰謝料500万円の支払いを命じた。
あの少女の絶望の瞳が一瞬目に入ったが
感情に取り込まないことにした。
企んだ娘と親はほくそ笑んだ。
ーーサイテーの奴等だな
そう思ったが俺もそのムジナだ。
その日に振り込まれた破格の報酬は放置した。
山のような案件を抱えていた俺は
感傷に浸っている暇などなかった。
事務所に戻ると別の案件に手をつけた。
かなり遅い時間に加害者にされた少女が訪ねてきた。
扉に佇んでいた少女は
俺が顔をあげると深くお辞儀をした。
「少しお時間よろしいでしょうか?」
丁寧な挨拶をする少女に
こんな子があんな酷いことできるわけねぇよな
そう思ったがもう終わった裁判だ。
口にするのはやめておいた。