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浮気断定社
第10章 依頼人 高橋 美樹
 俺は殺人罪での立件を要望したが
 証拠不十分で不起訴となった。

 俺が起訴されることで例の裁判の事実が明らかになることを恐れたあの家の人間が圧力をかけていたらしい。

 少女の両親は娘の自殺に深く心を痛め
 裁判を起こしたことを後悔していると
 上条弁護士から聞いた。
 これ以上戦う気力はない。
 むしろそっとしてほしいと言われたという。

 俺は少女を殺しておいて
 罪にも問われない...

 そのやりきれなさに自分を蝕んでいった。

 上条弁護士にせめて少女の両親に慰謝料を払わせてほしいと願った。

 しかし...
 それすら受け入れてはもらえなかった。

 俺は弁護士事務所を辞め
 酒に入り浸っていた。

 そんなとき上条弁護士が訪ねてきた。

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