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浮気断定社
第10章 依頼人 高橋 美樹
「どうするの洋ちゃん」
麗子が洋輔に声をかける。
「そうだなぁ...」
洋輔は目を閉じたまま言葉を探していたが
やがて麗子を見つめ話し始めた。
「あの家は厄介だが例の一族のなかでは鼻くそみたいなもんだ。
T大出のエリートサラリーマンと結婚して自慢している程度だからな。
厄介なのは...
瑠璃の存在を当主が見つけちまうことだ。
そうなったらさすがに助け出すのは難しい...。
バレる前にただの浮気ってことで瑠璃に別れさせるしかないな。
当主の話をすれば瑠璃だって大人しく引き下がるだろう。多少の慰謝料を払ってやればあの女も満足するはずだ。
時間との勝負だな。
すぐに瑠璃に会いに行くよ」
麗子は頷いた。
立ち上がった洋輔は助手に向かって
「引き続き高橋博隆のことを探ってくれ。
それから美樹の様子も目を離すな」
と指示した。
「分かりました」
助手は頷いた。
「私は何をすればいい?」
麗子も立ち上がる。
「シェルターの部屋を用意しておいてくれ」
「わかった」
麗子も頷いた。
重い扉を開け、洋輔がオレンジ色の夕方の光に包み込まれる。
バタリと大きな音でそれを遮った扉を見つめ
麗子は優しく微笑んでいた。
麗子が洋輔に声をかける。
「そうだなぁ...」
洋輔は目を閉じたまま言葉を探していたが
やがて麗子を見つめ話し始めた。
「あの家は厄介だが例の一族のなかでは鼻くそみたいなもんだ。
T大出のエリートサラリーマンと結婚して自慢している程度だからな。
厄介なのは...
瑠璃の存在を当主が見つけちまうことだ。
そうなったらさすがに助け出すのは難しい...。
バレる前にただの浮気ってことで瑠璃に別れさせるしかないな。
当主の話をすれば瑠璃だって大人しく引き下がるだろう。多少の慰謝料を払ってやればあの女も満足するはずだ。
時間との勝負だな。
すぐに瑠璃に会いに行くよ」
麗子は頷いた。
立ち上がった洋輔は助手に向かって
「引き続き高橋博隆のことを探ってくれ。
それから美樹の様子も目を離すな」
と指示した。
「分かりました」
助手は頷いた。
「私は何をすればいい?」
麗子も立ち上がる。
「シェルターの部屋を用意しておいてくれ」
「わかった」
麗子も頷いた。
重い扉を開け、洋輔がオレンジ色の夕方の光に包み込まれる。
バタリと大きな音でそれを遮った扉を見つめ
麗子は優しく微笑んでいた。