この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
浮気断定社
第10章 依頼人 高橋 美樹
「あの頃の瑠璃は感情がなかった。
まあ、感情なんて持ってしまったら苦しくて生きていけなかったんだろうな。
すべてを運命として受け入れて生きていた。
そんな最低の生活から俺たちが救ったんだ。
そして彼女に"感情"を吹き込んだ」
洋輔はそこまで言うと2本目の煙草に火をつけ
ゆっくりと煙を吐いた。
「なんてな。
そんな風に思ってたのは俺だけかも知れねぇ。
あんなひでぇことさせられてた少女がそう簡単に
心の傷なんて
癒せるわけがないんだよ。
だから
瑠璃はまともな恋愛が出来ない。
心から誰かを信じて飛びこんでいくことが出来ないんだ。
なぜかいつも傷つく道を自然に選んでしまう。
傷つけられる前に自分を傷つけて
そうやって防御しながら...
今も生きていたなんてな」
洋輔は大きなため息と共に煙を吐き出した。
まあ、感情なんて持ってしまったら苦しくて生きていけなかったんだろうな。
すべてを運命として受け入れて生きていた。
そんな最低の生活から俺たちが救ったんだ。
そして彼女に"感情"を吹き込んだ」
洋輔はそこまで言うと2本目の煙草に火をつけ
ゆっくりと煙を吐いた。
「なんてな。
そんな風に思ってたのは俺だけかも知れねぇ。
あんなひでぇことさせられてた少女がそう簡単に
心の傷なんて
癒せるわけがないんだよ。
だから
瑠璃はまともな恋愛が出来ない。
心から誰かを信じて飛びこんでいくことが出来ないんだ。
なぜかいつも傷つく道を自然に選んでしまう。
傷つけられる前に自分を傷つけて
そうやって防御しながら...
今も生きていたなんてな」
洋輔は大きなため息と共に煙を吐き出した。