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第9章 依頼人　瑠璃

「瑠璃ちゃん...」

麗子は言葉を失った。
たった16歳の少女が感情を殺して生きている。
そうするしか生きる道がないなんて...

麗子は怒りに心が震えた。

しかし、仕事柄感情的になってはいけないことは心得ている。冷静に進めなければうまくいくものもいかなくなってしまうことを経験上熟知していた。

「瑠璃ちゃん、今から病院へ行って診断書をとって欲しいんだけど大丈夫？」

瑠璃は少し考えてから

「はい」

と返事した。

「それと...性被害も盛り込みたいんだけどうかな。
　もちろん瑠璃ちゃんが嫌なら顔の障害だけでもいい」

瑠璃は黙ってうつ向いていたが
小さく頷いた。

「ありがとう」

麗子はこれからの相談を始めた。