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第9章 依頼人　瑠璃

午後麗子が迎えに来て瑠璃は弁護士事務所にいた。

「洋ちゃん来た？」

麗子が受付の女性に聞く。

「まだですね」

「まったく何やってんのかしら」

少々イラつきぎみに麗子は答えていた。

「じゃ、奥の相談室にいるから洋ちゃん来たら案内して」

麗子は瑠璃をつれて奥の部屋に入った。

「あの...洋ちゃんって？」

瑠璃は麗子に聞いた。

「あ、今はちょっと燻ってるけど
　凄腕の弁護士よ。
　全戦全勝の無敗の弁護士と呼ばれていたの」

「そんなすごい人が何で燻ってるんですか？」

「まあ、色々あってね。
　弁護士なんて人の汚い部分ばかり見える職業だから
　まともな神経ではやってられないの」

「そうなんですか...」

瑠璃は麗子を見つめていた。