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甘い香
第2章 いじめ対策は新たな受難の始まりで
華奢な身体に、女顔。
性別を間違えて生まれてきたのでは、と出会う人皆が口にした。
おまけに、前園 朋佳【マエゾノ トモカ】という女みたいな名前が輪をかけて俺を男ではないと否定しているようで、大嫌いだった。
そんなコンプレックスだらけな俺は、男らしく、男臭くなりたくて男子高校へと進学した……のだが、入学して直ぐ間違いだったと気付く。
入学早々、犯されかけたのだ。
運良く、同じクラスの委員長に助けられ無事に済んだのだが、今後に不安が芽生えた。
そんな矢先、俺は担任に呼ばれ職員室に行くことになった。
「俺も付いて行こうか、前園?」
「大丈夫だよ、手塚。直ぐに行ってくるからさ」
彼が俺を助けてくれた委員長の手塚 章人【テヅカ アキヒト】。あれから、俺と一緒にいてくれる。
一人で大丈夫、と言えないのがまた悔しい。
職員室に入ると担任が手招きして、俺を呼んでいる。
「悪いな、前園。お前に話があってな…この間みたいな事が今後絶対起こらないとは限らないだろう?」
「……はぁ」
「それでだ、未然に防ぐという意味でお前を特別クラスに移動させようと考えている」
「……はぁっ!?」
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