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甘い香
第2章 いじめ対策は新たな受難の始まりで

特別クラス…早い話が問題がある生徒を隔離して、何も起こさないようにしようってことだ。

学校側の体裁と言えば早いのか。

今回は、被害者の俺だけが確定しているので対象になったわけだ。


「いじめ対策の一環として、我が校で行っていることだ。特別クラスに移動した後は皆無事に卒業している。担任の先生も特別クラス用にちゃんといるからな、安心しろ」


断る術はないようだ。

実際、中学生の時も全くいじめがなかった訳ではない。今なくとも、いずれやられるかもしれない。

男らしくと望めば望むほど、周りから拒まれ大人しくしていろ、守られていろ、といわれているように感じる。


「さっそく、明日からな。まず登校したら職員室来て」


「はい」


良いのか悪いのか……

受け入れてしまった事は、実行しなくてはならない。手塚とはもう同じ教室で授業を受けることは無くなった。


そんな経緯を得て、特別クラスに来た俺は紹介された担任教師を見てたまげた。


「堂嶋 薫【ドウジマ カオル】だ。よろしく」


第一印象は『チャラい』だった。

弱冠茶色の長い前髪を揺らし、日に焼けた肌は教師ぽくはない。

切れ長の瞳は眼力があり、睨まれたら従わずにはいられなくなりそうだ。

身長は180センチは越えているだろう。細く見える割りには、筋肉質だった。


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