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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第2章 蓮野に降る雪
 分厚い書物は開かれたままの状態で、なにやら難しげな文字が並んでいた。トンジュにはさっぱり判らない記号の羅列だったが、彼は一瞬の中に開かれたページに並んだ文字を記憶したのだ。
 トンジュはそれが字であるとは知らず、憶えた字を一つ一つ記憶を辿りながら地面に書いていった。そこに偶然、大行首が庭を通りかかった。
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