この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第2章 蓮野に降る雪

その夜からというもの、トンジュは夜更けに大行首さまの居室に伺い文字を習うことになった。まず知っている字を書いてごらんと言われ、トンジュは紙に先日、この部屋で見た難しげな漢字をすべて書いた。
―お前はこれをどこで憶えたのだ?
怒らないから正直に言いなさいと囁かれ、トンジュは泣きながら正直に打ち明けた。
大行首からしばらく言葉はなかったが、やがて、子ども向けの優しい本を渡してくれた。それは漢字ではなく、ハングル文字の初歩学本だった。
―お前はこれをどこで憶えたのだ?
怒らないから正直に言いなさいと囁かれ、トンジュは泣きながら正直に打ち明けた。
大行首からしばらく言葉はなかったが、やがて、子ども向けの優しい本を渡してくれた。それは漢字ではなく、ハングル文字の初歩学本だった。

