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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第3章 幻の村
「大人しくして下さいよ。これ以上、抵抗するのなら、手荒な真似をしなければならなくなりますよ?」
「一体、何をするの?」
 サヨンは怯えきった瞳で嫌々をするようにかぶりを振った。
「何て姿だ」
 その時、サヨン自身は全く知らなかったが、薄紅色の唇は長すぎる口づけのために腫れ上がり、唇からは混じり合った二人の唾液が糸を引いてしたたり落ちていた。
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