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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第3章 幻の村
 サヨンは頷き、眼を閉じた。眼を開けている元気がなかったからである。
「ここに来るまで随分と無理をさせました。疲れ切って、脚に怪我まで負っていたあなたに酷い仕打ちをしてしまった。許してくれと言って許して貰えるものではないでしょうが、申し訳ありません」
「―トンジュは私を最初からそのつもりで連れてきたの?」
 核心を突いた問いかけに、トンジュが一瞬、怯む様子を見せた。
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