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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第3章 幻の村
 振り向いたトンジュの眼に映じたのは、一人の少女であった。若草色のチョゴリと眼にも鮮やかな牡丹色のチマを身につけた可憐な少女は、さながら庭に咲く牡丹の花の化身かと見紛うほどだ。
 トンジュが愕きのあまり声も出せないでいると、少女はふふっと悪戯っぽく微笑んだ。
 後ろで一つに編んだ長い髪に手を伸ばし、髪に飾っていたリボンを取ったかと思うと、トンジュの手首に巻き付けた。
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