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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第3章 幻の村
「おや、俺がさんざん苦労して作った木彫りの器を二度、真っ二つにしたのは、どこの誰でしたったけ。普通、木なんてものは割れないはずなのに、よほど強く落としたんでしょうね」
 悪戯っぽく言われ、サヨンはむうと頬を膨らませた。
「トンジュの意地悪」
 フンとそっぽを向くサヨンの頬をトンジュが人差し指でつついた。
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