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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第3章 幻の村

サヨンは先刻から何度目かになるか知れない溜息をついた。
その日一日をサヨンは殆ど何もしないで過ごした。遠い町まで用足しに出かけたトンジュのために何か精の付くものをと考えたのだけれど、サヨンはトンジュの好物を知らない。
悩んだ末、惣菜よりも菓子の方がわずかなりとも得意であったことを思い出して、焼き菓子を作ってみた。だが、夕方から始めた菓子作りは何時間経っても終わらず、結局は、またしても真っ黒になった菓子の残骸ができただけだった。
その日一日をサヨンは殆ど何もしないで過ごした。遠い町まで用足しに出かけたトンジュのために何か精の付くものをと考えたのだけれど、サヨンはトンジュの好物を知らない。
悩んだ末、惣菜よりも菓子の方がわずかなりとも得意であったことを思い出して、焼き菓子を作ってみた。だが、夕方から始めた菓子作りは何時間経っても終わらず、結局は、またしても真っ黒になった菓子の残骸ができただけだった。

